さて,物騒なタイトルで始めてしまいましたがこの記事では,『SUPER MARIO BROS. 40TH 京都マラソン2026』の募集に際して起こった出来事について取り上げたいと思います.ランナー側からすると”不義理”とも捉えられる出来事ですが,主催者側やスポンサーの苦労や苦悩を無視して一方的に非難をするのも酷ではあります.
といいつつ,マツロウは一介の市民ランナーでしかありませんから,ランナー目線から見て今回の事案がどうだったのか,多分に主観を挟んで記したいと思います.
このブログを始めたときにはこんな記事を書くことになるとは,思ってもみませんでした.おかげでカテゴリー分けやタグ付けに苦慮してしまいました(笑)
コトの経緯
事の経緯を一言で説明すると,”主催者が一方的にランナーの募集期間を延長した”です.下に時系列で事の経緯をまとめてみました.
募集期間:2025.7.10 10:00 ~ 2025.9.1 17:00
募集人数:16,000人 (多数抽選)
延長後募集期間:2025.7.10 10:00 ~ 2025.9.22 17:00
理由は”より多くの方にエントリーいただくため”
延長
34,987人,抽選倍率は2.7倍
本来であれば9/1に募集を締め切るところ,8/20にランナー募集延長を発表し9/22までエントリー期間を延長しています.その理由は,”より多くの方にエントリーいただくため”としています.エントリー締め切り後の9/30に募集状況を発表し,応募倍率が2.7倍になったことを発表しています.
何が”不義理”なのか?
個人的にここが不義理だと思ったポイントを列記してみました.箇条書きではランナー目線で何が問題なのか不満になるのか説明不足だと思いますので,下により詳しく書き出してあります.
- 一方的にエントリー期間を延長し,抽選発表期日も延期した
> 勝手にゴールポスト(ルール)を動かした
> 他大会のエントリーや仕事などの他予定との調整を台無しにした - 延長期間中のエントリーも合わせて抽選倍率2.7倍としている
> 変更前期間,延長期間のエントリーをまぜこぜにして発表し,高倍率を誇っている姿勢が腹立つ - 変更前エントリー期間中のエントリー者に対して,何の救済措置も優遇措置も,説明すら無い
> エントリー済みのランナーに対して,抽選日程の変更連絡すらしない姿勢
一方的にエントリー期間を延長した
ランナー側にとって募集要項は絶対です.これから外れている場合は,募集を受け付けてもらえません.各大会に応募するに当たって,最初のハードルであり絶対のルールなのです.それを今回,一方的に主催者側が変更してしまった.
サッカーが浸透している地域では,前提,ルール,目標などを変更した際に”ゴールポストを動かす”と暗に皮肉を込めて表現しますが.まさしく今回,”ゴールポスト”を動かしてしまった.
では,”ゴールポストを動かす”ことによるランナーへの影響とは何なのか? まずは単純に,主催者への不信感ですね.こちら側はルールを変えられないのに,主催者が”約束事”を変えてしまっていいのか?
実害としては,1年間の出走スケジュールを台無しにされることです.ランナーは1年間の出走計画を立てて動いている方が多いと思います.エントリー大会の取捨選択をはじめ,仕事やプライベートの予定との調整をしたうえで,エントリーしている.
たとえ抽選が想定される人気大会でも,抽選日や他大会のエントリー期間を把握し落選時に他大会へのエントリーの計画を立てています.それを今回は台無しにしてしまった.抽選日が後ろ倒しになったことで,代替大会を諦めざるを得なくなった可能性もあります.
延長期間中のエントリーも合わせて抽選倍率2.7倍としている
この点に関しては完全に感情的な部分です.『SUPER MARIO BROS. 40TH 京都マラソン2026』のホームページでは,9/22に”一般枠エントリー受付終了及び抽選実施のお知らせ”,とのお知らせを出しています.一部抜粋します.
「SUPER MARIO BROS. 40TH 京都マラソン2026」の一般枠エントリーは本日17:00で受付を終了しました。
一般枠エントリー受付終了及び抽選実施のお知らせ | 京都マラソン2026
たくさんのお申込みを、誠にありがとうございました。
一般枠は、定員を超えるお申込みをいただきましたので、今後、抽選を行います。抽選結果は、メールで10月24日(金)に通知予定です(グループエントリーの場合は代表者のみに通知)。
また,9/30に”ランナー募集結果をとりまとめました。”とのお知らせ.こちらも一部抜粋します.
「京都マラソン2026」のランナーエントリー数の合計は39,221人となり、うち抽選枠のマラソン申込者数は34,987人で抽選倍率は2.7倍、ペア駅伝の申込者数は814組1,628人で抽選倍率は3.5倍となりました。
ランナー募集結果をとりまとめました。 | 京都マラソン2026
なお、抽選結果については、10月24日(金)にメールでお知らせする予定です。
なんだか,人気大会であることを誇るかのようなお知らせ.人の神経を逆撫でするようなお知らせです.腹立つ(怒)
そもそもエントリー期間を延長して,抽選に持ち込むってどうなの? 運営側からすると高倍率になって嬉しいのかもしれません.でも変更前期間にエントリーした身からすると,本来だったら抽選無しで得られたはずの出走権を失っていたり,抽選倍率が高くなることで当選の可能性が低くなることを意味してるんですよね.
ちなみに実態はわかりませんが,抽選倍率2.7倍でいっしょくたに抽選を行うつもりのようです.変更前期間のエントリー者に対する優遇や救済措置は無さそうな感じです.まぁ,延長発表時点で抽選が確定していた可能性もありますから,優遇や救済は現実的ではないとは思いますが.
募集期間延長という”ゴールポスト動かし案件”をしたのだから,せめて変更前期間と延長期間の募集状況説明ぐらいはしてほしかった.
変更前エントリー期間中のエントリー者に対して,何の救済措置も優遇措置も,説明すら無い
一番,腹立つのがこれ.なんの説明も案内もない.抽選日が変更になったことすら連絡してこない.こちらから情報を取りに行ってようやく,変更日程がわかる.日程変更があるなら連絡ぐらいください.常識です.
約束の変更があるなら連絡をください.2度目でくどいですが,常識です.
キャッチコピー “みんなが主役”は既に崩壊している
『SUPER MARIO BROS. 40TH 京都マラソン2026』のキャッチコピーは”みんなが主役”です.
が,疑わしい.
主催者および共催者,そしてスポンサーが主役の大会です.少なくても変更前期間にエントリーしたランナーは”みんな”に入れてもらえてません.まぁ,まだお金も払ってないしそんなものかな.
任天堂を始めとしたスポンサーも主催者と同列
本件にたいして最も影響を与えたと勘ぐりたくなるのが,任天堂です.延長エントリー期間中にプラチナパートナー(冠協賛)となることが発表され,大会名にも”SUPER MARIO BROS. 40TH”という文言が入るほどになりました.
タイミングや影響力を考えると,この不義理の一翼を担ったと勘ぐってしまいます.本当のところはわかりませんし,遠因になったとしても任天堂の意図ではなかった可能性だってあります.他のスポンサーもだんまりのようですから,主催者の行動を容認しているものと解釈するしかない.それだって本当のところはわからない.でも,何の説明も受けていないので想像でやり場のない感情をどうにかするしか無いのです.
私は大会運営,協賛団体,スポンサーには最大限の敬意を払うことにしています.でも,こうした事案や不手際,納得できない事があった場合には,それらの責任を負うべき(というより,怒りの矛先)もこれらの団体,企業だと思います.その点はしょうがない.だって,他にやり場はないもの.
人気大会と強力なスポンサーはマラソン大会に必要
とはいえ,任天堂のプラチナスポンサー(冠協賛)と抽選倍率2.7倍の募集があったことは朗報です.どのマラソン大会も運営は非常に厳しいと聞いています.今後も持続可能な形で大会が運営され,マラソン大会が身近なスポーツ大会でいてくれることを願ってやみません.
どうして欲しかったのか?
では,なぜマツロウはここまでグダグダと書き続けてきたのか? 本件に関して,”こうして欲しかった”という思いがあったからです.ランナーと大会の関わりはエントリーをする以前から始まっています.次にエントリーしたいか,リピート参加したいかどうかは,前日や当日だけでなくその遥か前からの印象で決まるのです.
せっかく出来た縁なのだから,どの大会もどのランナーも気持ちのいい関係でマラソン界隈を支えたい.そう思うのです.だからといって運営に無理な対応をしてほしいわけではないです.
個人的にこうすれば,不満はなかっただろうなと言うポイントを挙げます.
- 日程変更の案内を,既エントリー者に出す
- 変更前日程のエントリーと延長後エントリーの取扱をどうするのか明確に説明する
- 募集延長した理由(もう少し具体的に)と,延長した効果を示す
- 延長募集分は追加募集として扱う
1は最低限必要だったと思いますし,2も出来たのではないかなと.”一緒くたに抽選にする”でも,それが方針なら,そう言ってくれればいいと思います.3は詳細なデータや根拠を出すことに抵抗があるかもしれませんが,無理なことではないはず.4は,まあ無理かな.(笑) でも,松江城マラソンは2024年に延長募集をしましたが定員到達で延長期間内でも打ち切る対応をしています.
結局のところ,情報開示と説明なんですよね.
さてさて,『SUPER MARIO BROS. 40TH 京都マラソン2026』の抽選発表は明後日10/24(金)です.どうなることやら…
後日談 ー2025.11.8追記
もはや思い出すのも嫌だったので記事にしていませんでしたが,見事に落選しました.これで『京都マラソン』との縁は完全に切れました.今後,京都マラソンにエントリーすることはないでしょう.(Abott World Marathon Majors大会になれば仕方なくエントリーすると思いますが….)
さらに,2025年11月8日には”週刊女性PRIME”に運営の釈明記事が出ました.この釈明がまた,よくわからないというか論理に不整合があるというか….なんとも微妙なんですよね.(笑) これに関しては,ブログのネタに困ったら改めて記事にしてみようかな.(笑)
この記事はここまでです.
お読みいただきありがとうございました.また,次の記事でお目にかかりましょう.
皆様の充実したランニングライフを願って.
|マツロウ
